もしもの話。 もしも僕が口を利けなかったら。 貴方を傷つける事はなかっただろう。 綺麗ごとも悪口も。 そんな事を言う事さえない。 もしも僕の耳が聞こえなかったら。 世界の声を聞けることはなかっただろう。 歌声も騒音も。 そんな事を聞く事さえない。 もしも僕の目が見えなかったら。 嫌なものを見ないで済んだだろう。 人の顔、汚染された町。 そんな事を見る事さえない。 この世が綺麗なものだったら、 歌って、耳を傾けて、見えるもの 全てに感謝した。 けれど、こんなにも汚いものだったら 全てを失った方がまだマシだった。