「貴女にとって残虐過ぎる程のエレジーはもう慣れただろうか」 (エレジーと云うには些か役が足りなさ過ぎた) 礼服を身に纏った長身の兎。 (兎が長身で礼服を身に纏って居るなんて、非現実的だ) 柘榴石の様な深紅の眼が私を捉えると嘲笑うかの様に酷く歪んだ。 (一層の事、その眼を繰り抜いて首飾りにしてやろうか) 「黙れ、獣の分際で口を利くな」 (嗚呼、苛々する。獣じゃなく死神ならどんなに歓迎したことか!) 「レディがその様な言葉遣いとは…もう、貴女は逃れられないのに?」 (何から?誰から?何処へ?私は逃げてるつもりなんてこれっぽっちも思ったことがないのに!) 「黙れっ!!」 (五月蠅い五月蠅い五月蠅い五月蠅い五月蠅い五月蠅い五月蠅いっ!!) 本能の赴くが侭に拳は兎の顔に。 (何度も何度も。むしろその長い耳ももぎとってやりたかった) 私は倒れた兎を見下した。 (ママに貰った白いエプロンが返り血で汚れちゃったわ!) 「…流石ですね、でも私を殺しても貴女を死に追い込むラプソディーは始まってしまう。」 (エレジーは奏で終わり次はラプソディー?上等…!) 「ばいばい」 (誰も最初からお前の戯れ言になんか耳を貸さない、私以外は) 力の限り踏みつけて兎は動かなくなった。 (死んじゃったの?まぁ、なんて可哀相な兎かしら!) 嗚呼、世界はなんて醜くて耽美的!!

BGM from VAGRANCY 2007/04/22 DIARYより。